さてさて、いよいよ旅エッセイ最終章。折しも今日は太陽と月と地球が一列となり、月が最大限に輝くスーパームーン。この日に締めくくることになる絶妙のタイミングに感謝。
暗闇に映し出される光、スーパームーン。白山で出会ったもう一人の人生の達人はまさにアートの世界でその光を造り出している人だった。デジタル・アーティスト、
長谷川章さん。これまでにCMを4000本も制作されたCM界の巨匠。現在は「Digital Kakejiku(デジタル掛け軸)」という独自のアートプロジェクトで世界にメッセージを発信されている。
突然の訪問にも係らず、長谷川さんはいろいろなお話をしてくださった。白山を見渡せる大きな窓のモダンなアートスタジオ。さっきまでお邪魔していた才次郎さんの登龍門とは対局にあるたたずまい。一体私は何を見せられているんだろう。そのあまりにも大きなギャップに一瞬戸惑う。でも、対局だけれど、何処か根底で共通した感動と驚きがあった。そうか、それは才次郎さんや長谷川さんが少年ようにきらきらした目で、ひたすら自分の世界を追求しその中で生き生きと生きている純粋な精神を見たからかもしれない。

ご自分の満足のいくアートを造り出す為に一億円掛けて作ったと言いうコンピュータシステムを駆使して、長谷川ワールドをたっぷりと楽しませて頂いた。万博・太陽の塔や伊勢神宮、ヨーロッパの古城等、既存の建造物がプロジェクターによって巨大なアートに変身。スケールが違う。なんだかその映像を見ながらワクワクぞくぞく。なんだろ?この感覚。台風の前の静けさと台風のまっただ中に同時多発でいるような奇妙な高揚感。長谷川さんの映像の中では、「見ている人と見られているアートがひとつになる」。面白いなあ、と私も紅緒ちゃんもスタジオに映し出されたアートの中に立って、その一部になって遊んでみる。


ワクワクぞくぞくの中に自分自身を入れちゃうのだ。これぞ、デジタル・アートの達人が教えてくれた人生の楽しみ方!
たくさん楽しませて頂いた上に最後は貴重なギフトまで戴いてしまった。アメリカ元副大統領、アル・ゴアさんも贈呈されたことがある長谷川さん作の白木に描いた書。(木が二酸化炭素を吸収して地球温暖化を食い止めることを伝えるために創られたカーボンリザーブアート)そんな貴重なものを惜しげも無く「持って行っていいよ」という。「ああ、これもあれも、いいですね!」と選びあぐねていたら、「いいよ、これもあれも」と言う事で、結局3つも戴いてしまった。(写真に写っている他に「笑門福来」と描かれた大きな作品も)

なんか、力が湧いて来た。どんな世界も自分の創造力さえあれば実現可能なんだと。
長谷川さんも才次郎さんもアウトプットはまったく違っても白山の大自然の叡智を糧に生きている。その大自然の美しさを自らの独創性で表現したら違うアウトプットになった。ただそれだけの違いに思える。自分自身になりきって自分自身を楽しむことを実践している人生の達人達。
さて、私はどんな世界を創りたいかな?そのことを明確にすることが大切。
闇に飲まれず、光に溺れず。闇があっての光、光があっての闇。その両方を最大限に美しくアウトプット出来たら素晴らしい。デジタル掛け軸のように。そして今夜のスーパーフルムーンのように。
一歩外に出ると世界は奇跡に溢れている。土地と出会い人と出会いそして自分と出会う。奇跡は奇跡の連鎖反応を起こして、世界を駆け巡る。
旅って素敵だ。出会いって奇跡だ。
その奇跡は、きっと、日常に戻って自分自身を生きる糧になる。
(完)
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最後に、今回の旅のエッセイを書き終えるにあたって、この旅でお世話になった全ての皆さん、出会った全ての皆さんに心からの感謝を捧げます。誰一人欠けてもこのミラクルでマジカルな旅は成立しませんでした。
この旅に誘ってくれた佐伯紅緒ちゃん、あなたの存在がこの旅のミラクルを起こした起爆剤でした。出会いに感謝、そして友情に心より感謝を送ります。
愛と感謝を込めて。

*麗しの紅緒ちゃん。加賀名物、棒茶サイダー片手に^^
文責・高原操
2012年5月5日/アメリカ東海岸午後11時35分、スーパーフルムーンの夜に世界の平和を祈りつつ。