
今回、シャスタにご一緒させて頂いた作家の木原浩勝さんは私から見るとまさに「異界の人」。スタジオ・ジブリ時代には、「となりのトトロ」や「魔女の宅急便」等、名作の製作で指揮をとられ、その後、幼い頃から好きだったという「異界」をテーマに執筆活動や映画製作、漫画の原案等、幅広く活躍されています。以前、ブログでも紹介した妖怪・件(くだん)の持ち主もこの木原さんであります。その木原さんと旅をすると旅模様も不思議な異界の世界に誘われます。せっかくサンフランに来たのだから、と、取材がてらにご案内させて頂いたのが、ミステリー・スポットとウィンチェスター・ミステリー・ハウス。ミステリー・スポットはサンタ・クルーズの山の中にある「重力がゆがんだ場所」として有名な観光スポットで、ボールが下から上へと転がっていったり、立ち居地を変えただけで背の高さが違って見えたり、垂直のはずの振り子が左右違った重力を持っていたり・・・。視覚の錯覚かほんとに重力がゆがんでいるのか、定かではありませんが、居るだけで体の重心がぐるぐると廻って気分が悪くなるようなへんてこな場所です。そしてもうひとつ、ウィンチェスター・ミステリー・ハウスはサンノゼの高級ショッピングモール「Santana Row」近くにある「Haunted Mansion(幽霊屋敷)」。ウィンチェスター銃で有名な一族の屋敷で、一族に次々に起こる不幸を止めるには家を常に改築し続けなければならない、というサイキックの助言を受

けたウィンチェスター未亡人が長年に渡って建て増しさせたもの。全部で160の部屋があり、至るところに意味不明な階段があったり、「何処にも行き着かないドア」があったり、まさにウィンチェスター銃の呪いによって建てさせられたと思わせる奇妙な屋敷です。
怪奇現象の専門家、木原さんならではの不思議ツアーとなりました。
そして、このツアーのBGMは小さい頃に毎週欠かさず見ていた「ゲゲゲの鬼太郎」。それも古き懐かしき1960年版。移動の車の中から既に異界へと入り込んでいて、雰囲気たっぷりの楽しい時間でした。
その木原さんがスーパーバイザーとして製作に参加され、ご本人も役者さんとして出演されているというタイトルもずばり「異界」というテレビ番組が4月後半に放映されるそうです。世界6カ国の共同制作で、日本ではNHKでオンエアされます。アメリカでも放映されるとか。
怖いのは苦手、という方も、日本のNHKが「異界」をテーマにどんな切り口でジャパニーズ・ホラーを紹介しているのか、興味深いところですね。ぜひご覧になってみてください。
愛溢れるホラー作家、木原浩勝さんとの楽しい旅でした。